まず結論から。
MS ゴシック、MS Pゴシック、MS 明朝、MS P 明朝はやめましょう。
ダメとは言いませんが。。
カップラーメンを買ってきて、そのままボリボリ食べているようなものです。
ひと手間かかるけど、かやくを入れて、お湯を沸かして(なんならコンビニでお湯を入れて)、3分待つだけです。
もっとおいしくできるように、必要なものは入ってますよ!
と教えてあげたくなります。
MSゴシック、MS Pゴシックは元々、解像度の低い昔のパソコンにおいて文字が共通して「見える」ことに重点を置いて作られたフォントです。
デザインの視点でコンセプトを持って設計されたものではない上に、プレゼンで離れた席から見る人など想定外です。
「フォントなんてどれも同じだし」
「他のパソコンで変わると困るから」
「結局どれを選べばいいかわからないし」
そんなデフォルト人の皆様、カップラーメンと同じで、必要なものはちゃんと入っているのです!
「タイトルだけ太字にすればいいでしょ」
「そんな暇があったらさっさとコンテンツを作りたい」
「とにかく選ぶのがめんどくさい」
そんなせっかちな皆様は、お気に入りを1つだけ決めておくといいと思います!
ということでフォントの選び方をご説明いたします。
フォントを選ぶ基準は2つだけ!!
1 本番のPC環境を確認する
2 ゴシック体を選ぶ
何よりもこれが一番重要です。
講演なら演台のパソコンは自前のPCを持ち込みか?
それとも運営側で手配したPCにデータを入れ込むのか?
プリントアウトして配布するなら
プリンターに接続しているパソコンはどれか?
作った環境と出力(印刷や投影)の環境が異なる場合、または別のパソコンで編集する可能性があるか、想定することが重要です。
前回「パワーポイントを立ち上げて、まずやることは?」でスライドサイズを決める際にも「何で見せるか?」について確認をしました。
本番環境で使えないフォントを使って資料作成など言語道断です!
他のサイトには「PDFにすれば大丈夫だよ~」「全部画像にしちゃいましょ~」
と書かれているところもありますが、
PDF変換する:アニメーションが消えます。PDF編集ソフトがないと後々編集できません。
画像化する:手間がかかります。ちょこちょこ修正できません。プロが使う手段なので、小麦粉からラーメン作ると思ってください。
この注意点を網羅できるのであればチャレンジしてください。
でも本番用のパソコンに何が入っているかわからない・・・!そこまで確認できない・・・!
そういう場合もあると思うので、とにかくパワーポイントの機能だけで完結させましょう。
そのためには、WindowsやMacで標準インストールされているフォントを使い、「フォント埋め込み」をおこないます。
フォントの埋め込みができるなら何選んでもいいんだ!と思ったアナタ、
TTFフォントを使う、ということだけ忘れないようにしてください。
パワーポイントはTTFフォントしか埋め込みができません。
OTFは埋め込みができないので、お気を付け下さい。
TTF:TrueTypeフォント
OTF:OpenTypeフォント(PostScriptフォント形式)
TTFはAppleとMicrosoftが共同で開発したフォントで、WindowsとMacのパソコンには標準的にインストールされています。
[コントロールパネル]→[フォント]から、拡張子を見ればTTFかOTFかがわかります。
2 ゴシック体を選ぶ
フォントには、大きく分けて2種類のカテゴリーあります。
同じ太さの線で書かれたゴシック体(英文フォント:サンセリフ体)と、習字の時の「ハネ」「トメ」のような「ウロコ」と呼ばれる部分がある明朝体(英文フォント:セリフ体)あります。
パワーポイントでは、基本的に視認性の高いゴシック体とサンセリフ体を選択してください。
書籍や論文など、文字数が多くてじっくり読むタイプのものは明朝体が疲れにくく読みやすいとされていますが、
プレゼンテーションにおいては文章よりもキーワードが目に入る方が重要です。
次に、ゴシック系のフォントを見比べてみます。
同じテキスト、同じサイズのフォントです。
フォントを変えるだけで、かなり印象が変わります。
MS Pゴシックよりも太さのコントラストがはっきりしていて強弱がわかりやすいフォントが
たくさん標準インストールされています。
Windowsだとメイリオ、Meiryo UI
MacだとOsakaや平成角ゴシック
あたりが視認性とバランスを見ておすすめです。
フォントは決まった。
もういいですね。タイトルを入力・・・のやっぱり前に。
まだやることがあります。
次回、スライドマスタをマスターする!に続きます。
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